小規模事業者持続化補助金でホームページ・チラシ・広告を作る手順

小規模事業者持続化補助金でホームページは作れます。ホームページは「ウェブサイト関連費」、チラシやインターネット広告は「広報費」として計上でき、第20回公募ではどちらも補助金の申請額で30万円(税込)までが上限です。ただし、どちらか一方だけでは申請できず、交付決定の前に発注した費用は対象になりません。
この記事は、小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回の公募要領(第8版、2026年7月21日)をもとに、2026年10月31日に確認した内容です。補助金の条件は公募の回ごとに変わるため、申請の前には必ず最新の公募要領を確認してください。
この記事の要点
- ホームページはウェブサイト関連費、チラシ・ネット広告・SNS広告は広報費。それぞれ補助金の申請額で30万円(税込)まで
- 広報費だけ、ウェブサイト関連費だけの申請はできない。2つを組み合わせる申請はできる
- 第20回は2026年11月5日に受付開始、12月15日17時締切。商工会・商工会議所の「事業支援計画書」は12月4日まで
- 交付決定の前に発注・契約・支払いをした費用は対象外。補助金は後払い
- 作ったホームページやチラシから問い合わせが何件来たか、測れる形で計画する
小規模事業者持続化補助金でホームページは作れる?
小規模事業者持続化補助金でホームページを作る費用は、販路開拓を目的としたものであれば補助の対象になり得ます。事務局の「申請時によくあるご質問【第20回】」では、単なる会社案内ではなく、新しい商品の広報など販路開拓のためのホームページであれば対象になり得る、と答えています。
制作・更新・改修、掲載する商品写真や動画、効果と作業が明確なSEO対策。申請額の上限30万円(税込)。
チラシ・カタログの外注と配布、新聞・雑誌の広告、ネット広告、SNS広告、運用代行費。申請額の上限30万円(税込)。
2つの経費には共通の決まりがあります。どちらも、その経費だけでは申請できず、必ずほかの経費と一緒に申請します。同じ「申請時によくあるご質問」によると、広報費とウェブサイト関連費を組み合わせた申請はできます。また、賃金引上げ特例で補助上限が上がっても、広報費とウェブサイト関連費の30万円の上限は上がりません。
ネット上の解説には「ウェブサイト関連費は補助金の申請額の4分の1まで」と書かれたものもあります。これは第16回までの<一般型>の公募要領の扱い(申請額の4分の1、最大50万円)で、第20回の公募要領では「補助金交付申請額の上限は30万円(税込)」になっています。記事の公開日と、どの回の公募要領をもとにしているかを確かめてから読むと、古い条件で計画を立てずに済みます。
第20回公募の基本:対象・補助額・日程
第20回公募の対象は、常時使用する従業員が一定の人数以下の小規模事業者で、補助上限は50万円、補助率は3分の2です。インボイス特例や賃金引上げ特例の要件を満たすと、上限が上乗せされます。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
会社役員や同居の親族の従業員は、この人数に含めません。個人の農業者は、系統出荷による収入だけの場合は対象外ですが、農作物の加工や、農作物を使った料理の提供などに必要な経費は対象になります。直売所の加工品や農家レストランの集客に使えるかは、この線で考えます。
| 項目 | 第20回の内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円(インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方で+200万円) |
| 補助率 | 3分の2(賃金引上げ特例のうち赤字の事業者は4分の3) |
| 申請の受付 | 2026年11月5日開始、12月15日17時締切(電子申請のみ) |
| 事業支援計画書(様式4)の発行受付 | 2026年12月4日まで(締切後は発行されない) |
| 採択発表 | 2027年3月頃の予定 |
| 補助事業の期間 | 交付決定日から2028年3月31日まで |
補助上限が50万円、補助率が3分の2なので、上乗せのない場合、補助を満額受けるには補助対象の経費が75万円(50万円÷3分の2)必要です。消費税は原則として補助の対象外(免税事業者などの例外あり)なので、税抜で75万円の経費に、消費税分の支払いが加わります。経費の全額を先に支払い、あとから補助金を受け取る形なので、自己負担分と立て替える資金の両方を用意しておきます。
日程や金額は公募の回ごとに変わり、同じ回でも公募要領が改定されることがあります。申請の前に、商工会議所地区は商工会議所地区の補助金事務局、商工会地区は商工会地区の補助金事務局のサイトで最新の公募要領を確認してください(この記事は第20回 公募要領 第8版を2026年10月31日に確認)。
ホームページ・チラシ・広告は、どの経費になるか
ホームページやECサイトに関わる費用はウェブサイト関連費、紙やネットで商品・サービスを宣伝する費用は広報費に分けます。迷いやすいものを、第20回の公募要領と「申請時によくあるご質問」から並べます。
| 作るもの・使うもの | 経費の区分と注意 |
|---|---|
| ホームページの制作・改修(業者に依頼) | ウェブサイト関連費。会社案内だけのものは対象外 |
| ECサイト、ホームページへの買い物かごの追加 | ウェブサイト関連費 |
| ホームページに載せる商品写真・動画 | ウェブサイト関連費(広報費ではない) |
| ロゴ(チラシとホームページの両方で使う) | ウェブサイト関連費 |
| チラシ・カタログの外注、配布、郵送のDM | 広報費。配らずに余った分は対象外 |
| ネット広告・バナー広告・SNS広告、運用代行費 | 広報費。補助事業の期間内に掲載された分だけ |
| SNS広告用の画像、電子パンフレット、メールのDM | 広報費 |
| 看板の作成・設置 | 広報費 |
広報費は「補助事業の計画にある商品・サービスの広報」が対象で、商品名や宣伝文句、事業者名が入っていない広告は、単なる会社のPRとして対象外になります。次のものも対象外なので、見積もりの段階で外しておきます。
- 補助事業の期間内に公開・運用に至らなかったホームページやランディングページ
- 名刺、求人広告、会社案内パンフレット
- ウェブサイトに関するコンサルティング・アドバイスの費用
- 売上や件数に応じて払う成果報酬型の費用
- 補助金の申請書類や実績報告書の作成・手続きにかかる費用
- 交付決定の前に発注・契約・支払いをしたもの
ホームページを50万円(税抜)以上で作成・更新すると「処分制限財産」になり、補助金を受け取ったあとも、一定の期間は目的外の使用や廃棄などに事務局の承認が必要になります。作ったホームページを補助事業の目的のために改良・機能強化することは、この承認が要る「処分」には当たりません。
申請の流れ:経営計画と商工会・商工会議所の支援
小規模事業者持続化補助金の申請は、自社で経営計画を立て、地域の商工会・商工会議所から「事業支援計画書」(様式4)の発行を受けてから、電子申請で出す流れです。この補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であることが要件になっています。
- GビズIDプライムを取る電子申請に必要なアカウント。取得に数週間かかることがあるので、最初に申し込む。
- 経営計画と補助事業計画を書く電子申請システムに、経営計画(自社の現状・強み・目標)と補助事業計画(補助金で行う取り組みと経費)を入力する。
- 事業支援計画書の発行を受ける地域の商工会・商工会議所に依頼する。第20回の受付は2026年12月4日まで。
- 電子申請で出す第20回の締切は2026年12月15日17時。郵送は受け付けない。
- 採択の結果を待つ採択発表は2027年3月頃の予定。審査があり、不採択になることもある。
どちらに相談するかは、事業を営む場所で決まります。商工会議所の管轄地域なら地域の商工会議所、商工会の管轄地域なら地域の商工会です。公募要領では、社外の代理人だけで商工会・商工会議所に相談したり、事業支援計画書の発行を依頼したりすることはできない、とされています。
計画づくりを外部に手伝ってもらうこともできますが、公募要領は注意事項の最初のほうで、サービスの中身と見合わない高額な支援料を請求する業者に注意するよう呼びかけています。商工会・商工会議所以外の第三者から助言を受けた場合は、支払いの有無にかかわらず、相手の名前と支援にかかる金額(無償なら0円、後払いの成功報酬があればその予定額)を申請画面に書く必要があり、書かなければ虚偽の報告として不採択や交付決定の取消しになります。計画は事業者自身が考えて書くことが前提の補助金です。
採択後の流れ:交付決定の前に発注しない
採択の通知を受けても、すぐにホームページやチラシを発注してはいけません。経費の発注・契約・支払いができるのは「補助金交付決定通知書」に書かれた交付決定日からで、それより前の発注は補助の対象外になります。
- 見積書を出す採択後、計上した経費すべての見積書を事務局に出す。1件50万円(税込)を超える発注は、自分で2者以上から見積もりを取り、安いほうに発注する(相見積)。
- 交付決定を待つ見積書を速やかに出しても、採択発表から交付決定までおおむね1〜2か月かかることがある。
- 発注して、公開・配布する交付決定日以降に発注し、補助事業の期間内にホームページを公開し、チラシを配り、広告を出す。
- 支払う銀行振込が原則。1取引10万円(税抜)を超える現金払いは対象外。クレジット払いは期間内に引き落としまで済ませる。
- 実績報告を出す事業が終わった日から30日以内か、第20回の提出期限(2028年4月10日)の早いほうまでに、実績報告書と経理の書類を出す。賃金引上げ特例・加点を選んだ場合、事業の終了日は一律2028年3月31日の扱い。
- 補助金を受け取る補助金の額が確定してから請求し、入金される(後払い)。
- 1年後の状況を報告する補助事業が終わってから1年間の効果を、事業効果報告として出す。
チラシやネット広告は、実績報告で「本当に配った・掲載した」ことを示す書類が要ります。公募要領は、ネット広告で発注日が分かる取引画面や、広告が確認できる画面を出せない場合は対象外になる、と書いています。広告を出す前に、管理画面の請求書や掲載中の画面を保存できるかを確かめておきます。
第20回は、2027年3月頃の採択発表のあと交付決定までおおむね1〜2か月かかることがあり、2028年3月31日までに制作から支払いまでを終える必要があります。繁忙期と重なる事業は、チラシを配る時期や広告を出す時期を、計画の段階で決めておきます。
補助金で作るものは「問い合わせが測れる形」で計画する
補助金で作るホームページやチラシは、作ること自体ではなく、売上の増加につなげることが求められます。第20回の公募要領では、売上高・売上総利益が補助事業の終了時より増える見込みのある事業であることが要件で、審査でも、計画の効果が客観的な事実に基づいて目標設定されているかや、デジタル技術を有効に使っているかが見られます。
Primap では、広告や制作の前に、問い合わせがどこから何件来たかを数える計測を整えています。補助金で作るものも、同じ考え方で計画しておくと、計画書の目標が書きやすくなり、1年後の事業効果報告のときに数字で振り返れます。
電話・フォーム・LINEの問い合わせを、どこから来たか分けて数える。ホームページの公開前に整える。
チラシの版や配る地区ごとに、QRコードのURLに配布の印を付け、ホームページのどこに来たか分かるようにする。
広告は1つの画像・動画に1つの広告を作り、どの素材から問い合わせが来たか分かるようにする。
Primap のサイトでは、問い合わせのフォームが送られると、送られたページと、広告などの流入元の印が一緒に社内チャットに届きます。チラシは、版と地区ごとにQRコードのURLを分けて反響を測ります。広告は1つの素材に1つの広告を作り、広告の名前をリンクの印にも入れています。こうしておくと、補助金で作ったチラシと広告のどちらから問い合わせが来たかが、あとから分かります。
計画書に書く数字は、作り話にせず、今の数字から立てます。今月の問い合わせの件数、売上のうちホームページや電話から来た割合、商品ごとの粗利など、手元にある数字を先に集めておくと、商工会・商工会議所に計画を見てもらうときも話が早く進みます。地方の会社が計測・地図・LINE・広告をどの順で整えるかは「地方の中小企業のマーケティング」で、Googleマップでの見つけてもらい方は「MEO対策」で解説しています。
| 補助金で作るもの | 計画に書いておくこと |
|---|---|
| 商品を売るホームページ・ECサイト | 誰に何を売るページか、公開後に見る数字(問い合わせ・注文の件数) |
| チラシ | 配る地区と枚数、配る時期、QRコードと電話の受け方 |
| ネット広告・SNS広告 | 出す期間と広告費、広告から来た人が着くページ、見る数字 |
広告から来た人が読むページの作り方は「記事LPとは?」で、広告の画像の作り方は「バナー作成をAIで進める手順」で、毎月の数字のまとめ方は「広告レポートの自動化」で書いています。
TANTO ローカル(Primap)は、計測などの土台づくりと広告の運用を、地方の事業向けに月額で引き受けるプログラムです。補助金の申請書づくりや申請の代行は行っていないため、申請の相談は地域の商工会・商工会議所にしてください。
持続化補助金の申請でつまずきやすい所
持続化補助金でつまずきやすいのは、日程と経費の決まりを、古い情報や思い込みで判断してしまうことです。申請の前後で起きやすい間違いと、その防ぎ方をまとめます。
| 起きやすい間違い | 防ぎ方 |
|---|---|
| 古い解説記事の上限(4分の1など)で見積もる | 申請する回の公募要領で、広報費・ウェブサイト関連費の上限を確かめる |
| ホームページ制作だけで申請しようとする | チラシや広告など、ほかの経費と組み合わせて計画する |
| 採択の通知が来たので制作会社に発注する | 交付決定通知書の交付決定日を待ってから発注する |
| 申請締切の直前に商工会議所へ行く | 事業支援計画書の受付締切(第20回は12月4日)から逆算して早めに相談する |
| チラシを多めに刷って残りを保管する | 補助事業の期間内に配る枚数で見積もる(未配布分は対象外) |
| 広告の請求書や画面を残さない | 発注日が分かる取引画面と、掲載中の画面を保存しておく |
不採択になる場合もあるため、補助金が出ることを前提に資金繰りを組まないことも大切です。採択されなかったときに、どこまでを自己資金で進めるかを決めておくと、次の回に申請し直すときも計画を立て直しやすくなります。
よくある質問
小規模事業者持続化補助金でホームページの制作費は出ますか?
小規模事業者持続化補助金でホームページの制作費は、販路開拓を目的としたものであれば、ウェブサイト関連費として補助の対象になり得ます。第20回公募では補助金の申請額で30万円(税込)が上限で、ウェブサイト関連費だけでは申請できません。会社案内だけのホームページは対象になりません。
持続化補助金でチラシの作成や配布はできますか?
持続化補助金では、チラシ・カタログの外注や配布、郵送のDMを広報費として計上できます。第20回公募では広報費の申請額の上限は30万円(税込)で、広報費だけの申請はできません。補助事業の期間内に配らなかった分は対象外です。
持続化補助金でネット広告やSNS広告は出せますか?
持続化補助金では、インターネット広告、バナー広告、SNS広告、運用代行費を広報費として計上できます。補助の対象は補助事業の期間内に掲載された分だけで、売上や件数に応じて払う成果報酬型の費用は対象外です。発注日と掲載が確認できる画面を残しておく必要があります。
採択されたら、すぐホームページを発注してもいいですか?
採択されただけでは発注できず、補助金交付決定通知書に書かれた交付決定日から発注・契約・支払いができます。交付決定日より前に発注した費用は補助の対象外です。採択発表から交付決定まで、おおむね1〜2か月かかることがあります。
申請の相談はどこにすればいいですか?
申請の相談は、事業を営む場所を管轄する商工会または商工会議所にします。この補助金は、商工会・商工会議所から事業支援計画書(様式4)の発行を受けることが申請の要件です。制度の細かい点は、商工会地区・商工会議所地区それぞれの補助金事務局のサイトと最新の公募要領で確認できます。


