ステップ配信とは?LINEの設定と購入後シナリオの作り方

ステップ配信とは、LINE公式アカウントで、条件に合った友だちに、決めた順番と間隔でメッセージを自動で送る機能です。標準機能なので追加の申し込みは要らず、送ったメッセージがプランの通数に数えられます。
この記事の要点
- ステップ配信は「一人ひとりのスタートの日」から数えて送るので、友だちになった日が違っても同じ順番で届く
- 当月の通数の上限を超えると、使っているステップ配信がすべて止まる
- 通販のリピート施策は、購入後の流れを6つの場面に分け、配信文はAIに下書きさせて人が確かめる
ステップ配信とは:決めた順番で自動配信する機能
ステップ配信は、開始の条件を満たした友だちに、あらかじめ用意したメッセージを、経過した日数や属性に合わせて自動で送る機能です。LINE の公式マニュアルでは、友だち追加したユーザーに対して「あらかじめ用意しておいた内容・タイミング・期間でメッセージを自動配信できる機能」と説明されています(LINE公式アカウント ステップ配信マニュアル)。
一斉配信との違いは、数え始める日です。
| 配信のしかた | 届き方 |
|---|---|
| 一斉配信 | 決めた日時に、対象の全員へ同じメッセージが届く |
| ステップ配信 | 一人ひとりの開始の日から数えて、同じ順番・同じ間隔で届く 月曜に友だちになった人にも、金曜に友だちになった人にも、それぞれ3日後に2通目が届く |
メールの世界では「ステップメール」と呼ばれる手法を、LINE で行うものと考えると分かりやすいです。人が毎回送る日を決めなくても、決めた流れどおりに届くので、少ない人数で続けられます。
LINE公式アカウントのステップ配信でできること
標準のステップ配信でできることは、公式マニュアルに書かれている範囲です。設定を始める前に、上限と条件を確かめておきます。
| 項目 | 仕様(公式マニュアルより) |
|---|---|
| 開始条件 | 「友だち追加」か「オーディエンス」 |
| 待ち時間 | 次のステップまで 1〜30日 |
| 条件分岐 | 属性(性別・年齢・OS・エリア)とオーディエンス |
| ステップの数 | 1ルート10個まで、1つのステップ配信で100個まで |
| 作れる数 | 50件まで |
| 配信の時間帯 | 指定できる。3時間以上の幅が推奨 |
通販のリピート施策で起点にしたいのは「購入した日」です。購入した人のオーディエンスを作って開始条件にすると、購入者向けの流れを組めます。一方で、「商品Aを買った人だけ」「定期便の次の発送日に合わせる」といった細かい出し分けは、カートのシステムとの連携が必要になることが多く、標準機能だけでは難しくなります。最初は、標準機能で購入者向けの1本を回すところからで十分です。
料金と通数:上限を超えると全部止まる
ステップ配信そのものに追加料金はかかりませんが、送ったメッセージは月の配信通数に数えられます。2026年10月時点の料金プランは次のとおりです(LINEヤフー for Business 料金プラン)。
無料メッセージ200通。追加メッセージは送れない。
無料メッセージ5,000通。追加メッセージは送れない(税別)。
無料メッセージ30,000通。追加メッセージは1通約3円から(税別)。
注意したいのは、当月の通数の上限を超えると、利用中のすべてのステップ配信が止まることです。マニュアルでは、プランを変えるか追加メッセージの上限を変えたうえで「再開」ボタンを押す必要があると案内されています。友だちが増えてきたら、月の配信通数の見込みを先に計算しておきます。たとえば、ひと月に1,000人が購入して6通の流れに入ると、それだけで6,000通になり、ライトプランの5,000通を超えます。一斉配信の通数も合わせて数えるので、余裕を持ったプランを選ぶか、配信数の上限を設定しておきます。
ステップ配信の設定の手順
ステップ配信は、管理画面で「開始条件→待ち時間→条件→メッセージ」の順に組み立て、テスト配信で確かめてから開始します。
- ステップ配信を作る管理画面のステップ配信から新しく作り、タイトルと有効期間、配信数の上限を決める。
- 開始条件を決める「友だち追加」か「オーディエンス」を選ぶ。購入者向けなら購入者のオーディエンス。
- 待ち時間を入れる次のメッセージまでの日数を1〜30日で決める。
- 条件で分ける必要なら属性やオーディエンスで分岐させる。最初は分岐なしでよい。
- メッセージを入れてテスト配信本文を入れ、自分のスマートフォンにテスト配信して読み、開始する。
マニュアルには、つまずきやすい点もいくつか書かれています。過去の日付を「追加日」に指定しても、待ち時間は設定した時点から数えられ、過去の友だち追加日からは数えられません。有効期間を過ぎると新しい人は加わりませんが、すでに加わった人には続けて届きます。また、テスト配信では友だちの表示名とアカウント名が反映されないので、表示名を差し込んだ文は本番の見え方と違う点に気をつけます。
購入後シナリオの6つの場面
購入後のステップ配信は、お客様の気持ちが変わる6つの場面に分け、1通に1つの用件だけを持たせると組みやすくなります。

| 場面(送る時期の目安) | お客様の気持ちと、1通の役割 |
|---|---|
| ① 購入直後(当日) | ちゃんと注文できたか → お礼と、届くまでの流れ |
| ② 到着(発送から数日後) | 開けたけれど、何から? → 最初の使い方 |
| ③ 使い方(到着から1週間前後) | 合っているか不安 → よくある質問、続けるコツ |
| ④ 使い切り前(量から逆算) | そろそろなくなる → 残りの目安と次の注文方法 |
| ⑤ 再購入(使い切りの前後) | 続けるか迷う → 続ける人向けの案内 |
| ⑥ 休眠(再購入がない人) | 忘れていた、合わなかった → 理由を聞く、別の選択肢 |
④と⑤の日数は、商品の内容量と1日の目安量から決めます。30日分の商品なら、到着から20日前後に④、28日前後に⑤という置き方です。待ち時間は1回で最大30日なので、使い切りまで長い商品は、間に1通はさみます。定期便で自動的に次が届くお客様には④⑤の「次の注文」の案内は要らないので、定期便の人は別のオーディエンスに分けるか、文面を「次回のお届け日の確認」に変えておきます。
店舗やサロンなら起点を「来店日」に、予約制のサービスなら「問い合わせ日」や「サービスを受けた日」に置き換えると、同じ考え方で組めます。どの業種でも、最初は①と④の2通から始め、反応を見ながら場面を足していくと無理がありません。
配信文をAIで下書きする手順
ステップ配信でいちばん手間がかかるのは、場面ごとの配信文を何通も書くことで、ここはAIに下書きさせると進めやすくなります。Primap には LINE 配信専用の仕組みはありませんが、社内のチャットでは、まだ返していないメッセージに AI が返信案を作り、担当者が直してから送る流れを毎日使っています。AIへの指示には「分からない事実は作らない」を入れ、送るのは必ず人が文面を見てからです。
この型をステップ配信に当てはめると、次の分担になります。
場面と送る日を決める。商品の事実(量・使い方・よくある質問・注文方法・定期便の変え方と止め方)を1枚にまとめる。表現の最終確認とテスト配信。
場面ごとの配信文を複数案出す。文字数を詰める。言い過ぎの表現を洗い出す。
AIが正しく書けるのは、人が渡した「商品の事実の1枚」の範囲だけです。この1枚が雑だと、AIはもっともらしい使い方や日数を作ってしまいます。最初に時間をかけるべきなのは、配信文よりもこの1枚です。
指示文は、場面ごとに1通ずつ頼むのがこつです。6通をまとめて頼むと、用件が混ざりやすくなります。
あなたは【ショップ名】のLINE配信文の下書きを作る担当です。
【商品の事実】商品名:【 】/内容量:【30日分】/使い方:【 】/よくある質問:【 】/次回の注文方法:【 】/定期便の変更・停止の方法:【 】
【書く場面】「④使い切り前」(到着から20日後に届く1通)
【条件】用件は1つだけ。リンクは1つまで。3〜4行、です・ます調で親しみのある言い方。3案出す。
【書いてはいけないこと】効能効果の言い切り(治る・効く・痩せる・必ず実感など)/実際と違う「今だけ」「期間限定」/他社との比較/商品の事実にないこと。
下書きのあとに、表現で人が確認すべき点を箇条書きで添えてください。
人が直したあとの配信文の例です。
① 購入直後
○○さん、ご注文ありがとうございます。
商品は2〜3日ほどでお届けする予定です。発送したらあらためてお知らせします。
お届け先の変更などは、このトークでそのままご連絡ください。④ 使い切り前
そろそろ残りが少なくなってくるころです。
次回分のご注文は、こちらから進めます。
▶ 次回分を注文する(URL)
※すでにご注文済みの方は、このメッセージは気にしないでください。⑥ 休眠
しばらくご注文がないようなので、ご連絡しました。
合わなかった点があれば、今後の商品づくりのために教えていただけませんか。3問・1分で終わります。
▶ アンケートに答える(URL)
休眠の1通でいきなり値引きを出すと、「待てば安くなる」と覚えられてしまいます。まず理由を聞き、値引きを使うなら回数と条件を先に決めておきます。人が直した点は指示文に書き足していくと、次の下書きから同じ直しが減ります。AIに下書きさせて人が確かめる型は、口コミ返信の例文とAI下書きでも同じように使えます。
ステップ配信を続けるためのコツ
ステップ配信は、売り込みの通を減らし、読む理由のある通を先に置くと、ブロックされにくく続けやすくなります。上位の解説記事でもよく挙がる点を、購入後シナリオに当てはめて整理します。
| コツ | 理由と、購入後シナリオでの置き方 |
|---|---|
| 1通に用件は1つ | 用件が2つあると、どちらも押されにくい。リンクも1つまでにする |
| 最初の数通は役に立つ情報を | 届いた直後は、注文の案内より使い方のほうが読まれる。①〜③は売り込みを入れない |
| 送る間隔を詰めすぎない | 毎日届くとブロックが増えやすい。最初は数日〜1週間おきから |
| 一斉配信と重ならないように | 同じ日にステップ配信と一斉配信が届くと多く感じる。一斉配信の日をずらすか、購入直後の人を除く |
| 画像は内容を補うときだけ | 画像だけの通は用件が伝わりにくい。使い方の図など、文字で伝えにくいものに使う |
友だち追加の直後に自動で届く「あいさつメッセージ」は、友だちになった人全員への最初の1通です。ステップ配信はその後の流れを受け持つので、同じ内容を繰り返さないように役割を分けておきます。
送る前に人が確かめること(事実と表現)
ステップ配信のメッセージも広告・表示の一部なので、商品の事実と表現は送る前に人が確かめます。消費者庁は、健康食品について医薬品のような効能効果をうたう表示や、実際より著しく優良だと誤認させる表示が、景品表示法・健康増進法で問題になると留意事項をまとめています(消費者庁「健康増進法(誇大表示の禁止)」)。
- 内容量・使い方・価格・配送日数・定期便の変え方が、元の情報と一致しているか(AIが書いた数字は必ず照らし合わせる)
- 「治る」「効く」「痩せる」「必ず実感」など、効能効果の言い切りがないか
- 「今だけ」「期間限定」「通常価格より◯%オフ」が、実際の条件と合っているか
- リンク先が正しく、スマートフォンで改行と見え方が崩れていないか(テスト配信で確認)
- 送る日と頻度が、ブロックを増やすほど多くないか
| 避けたい書き方 | 置き換えの例 |
|---|---|
| 「〇〇が治ります」「〇〇に効きます」 | 原材料・使い方・続けやすさなど、商品の特徴を伝える |
| 「飲むだけで痩せる」 | 「毎日の習慣に取り入れやすい形にしました」 |
| 「続ければ必ず実感できます」 | 「続けやすいように、置き場所の工夫をまとめました」 |
化粧品は、薬機法でうたえる効能の範囲が決まっています。表現の見分け方は、商品ページの表現チェックで詳しく紹介しています。
配信されない・止まったときに確かめること
ステップ配信が届かないときは、通数の上限、開始条件、有効期間の3つから確かめると、たいていの原因が見つかります。設定を変えたら、自分のアカウントを対象に入れて、実際に届くかを一度確かめておくと安心です。
| 起きていること | 確かめること |
|---|---|
| 全部のステップ配信が止まった | 当月の通数の上限を超えていないか。超えたらプランか追加メッセージの上限を変えて「再開」 |
| 新しい友だちに届かない | 開始条件と友だち追加の経路の設定、有効期間が過ぎていないか |
| 過去の友だちに届く日がずれる | 過去の追加日を指定した場合、待ち時間は設定した時点から数えられる |
| 一部の人にだけ届かない | 表示名を差し込んだ文は、友だちでない人やプライバシーポリシーに同意していない人に送られないことがある |
| 指定した時間に届かない | 配信数が多いと時間内に送りきれず、翌日の同じ時間になることがある。時間帯は3時間以上の幅に |
配信後の数字の見方
配信後の数字は、他社の平均と比べるより、自社の先月と比べて見ます。商品や友だちの集め方で、数字の基準は大きく変わるためです。
特定の1通の後に増えるなら、その通の中身か送る間隔を見直す。
開かれているのに押されない通は、リンクの置き方や文言を直す。
計測ツールで、LINE から来た注文を分けて数えられるようにしておく。
購入者のうち、一定期間に2回目を買った人の割合。始める前の数字を先に残す。
改善は1か月に1通ずつにすると、どの変更が効いたかが分かります。数字を見て「どの通を直すか」は人が決め、直し案はAIに複数出させる、という分担にすると回しやすくなります。LINE から来た注文を分けて数える計測の作り方は、Matomoとは?広告の計測設計で紹介しています。社内のマーケ業務でAIをどう使うかの全体像は、マーケ業務のAI活用にまとめています。
よくある質問
LINEのステップ配信は無料で使えますか?
LINE公式アカウントのステップ配信は、どのプランでも追加料金なしで使える標準機能です。ただし、送ったメッセージは月の配信通数に数えられ、無料のコミュニケーションプランは月200通までです。友だちの数と配信の本数から、月の通数を先に見積もっておきます。
ステップ配信とシナリオ配信の違いは何ですか?
ステップ配信とシナリオ配信は、どちらも決めた順番でメッセージを自動で送る仕組みを指すことが多く、呼び方の違いと考えて差し支えありません。LINE公式アカウントの標準機能の名前は「ステップ配信」です。外部のツールでは、購入や回答などの行動で細かく分ける機能を「シナリオ配信」と呼ぶことがあります。
ステップ配信は何通くらい用意すればいいですか?
ステップ配信の通数に決まりはありませんが、最初は「購入直後」と「使い切り前」の2通から始めるのがおすすめです。反応を見ながら、到着後の使い方、再購入の案内、休眠の人への1通と場面を足していくと、無理なく6通前後の流れになります。
外部のLINE配信ツールは必要ですか?
購入者向けに1本の流れを回すだけなら、LINE公式アカウントの標準のステップ配信で足ります。購入した商品ごとに出し分けたい、定期便の発送日に合わせたいといった細かい条件が必要になったら、カートのシステムと連携できる外部のツールを検討します。
あいさつメッセージとステップ配信は何が違いますか?
あいさつメッセージは友だち追加の直後に1回だけ届くメッセージで、ステップ配信はその後に日数や条件に合わせて複数のメッセージを順番に送る機能です。あいさつメッセージで自己紹介と次に届く内容を伝え、ステップ配信で使い方や案内を続ける、という分け方が分かりやすい形です。
ステップ配信で送る時間はいつがいいですか?
ステップ配信の配信時間は、お客様がスマートフォンを見やすい時間帯を3時間以上の幅で指定するのが基本です。公式マニュアルでも、配信数が多いと指定の時間内に送りきれないことがあるため、3時間以上の範囲が勧められています。


